大きくなると腹部が膨らんだり、お腹の張り感などの症状がありますが、小さな場合は無症状のことが多いです。婦人科健診や他の病気で検査した時に偶発的に見つかることもあります。卵巣は動きの良い臓器なので、卵巣の血管ごとねじれてしまったり(捻転)、のう胞が破裂することにより、急に激しい腹痛を生じることがあります。
婦人科診察、超音波検査、腫瘍マーカー測定を行い、大きなものや手術を検討する場合はMRI検査やCT検査などの画像検査を行います。  卵巣嚢腫ではなく、月経周期による卵巣の生理的変化(機能性嚢胞)の可能性もあるため、1回では診断せずに、月経周期を考慮して2-3か月後に再検査をお勧めすることがあります。
小さい卵巣嚢腫の場合は、数か月毎の経過観察をします。最終的な良悪性の診断は病理学的検査になるため、増大傾向などある場合などは手術をお勧めすることになります。  長径4~6㎝以上の卵巣嚢腫では、捻転や破裂のリスクが高いため、手術をお勧めします。また、妊娠中に見つかった卵巣嚢腫については、大きさと種類により妊娠中に手術をするかどうか検討することになります。しかし妊娠中の手術は制約も多いため、妊娠を希望する場合には妊娠前に手術が必要かどうかの検討が必要です。
手術の方法については、病気のある卵巣と同じ側の卵管をまとめて摘出する付属器切除術、卵巣嚢腫の病気の部分だけを摘出して正常な卵巣を温存する卵巣嚢腫摘出術があります。卵巣嚢腫の大きさや骨盤内の状況により、開腹手術、腹腔鏡下手術、腹腔鏡補助下手術での手術を行います。
病気のある卵巣と同じ側の卵管をまとめて摘出する手術方法です。病気のある卵巣自体を摘出するため、再発の可能性が低くなります。閉経から時間が経っていれば卵巣からのホルモン分泌がないため、両側の付属器切除をお勧めします。
将来的に妊娠を希望する方は、卵巣嚢腫の病気の部分だけを摘出し、正常な卵巣を温存します。細胞レベルの卵巣嚢腫の成分の残存の可能性は否定できないため、再発の可能性があります。そのため、術後も定期的な経過観察が必要です。卵巣嚢腫のサイズが大きい場合などは、卵巣嚢腫摘出術をご希望されても正常な卵巣を残せない場合があります。