リンパ浮腫
人体の60〜70%は水分からなっており、細胞の中と外に約2:1の割合で存在しています。
細胞外に存在する水分としては血液、組織間液とリンパ液があります。血液は心臓から拍出され、太い動脈を経て次第に細い末梢の毛細血管へと至り、毛細血管で液体の一部が血管外へと漏れ出し組織間液となります。
これらの組織間液の多くは静脈側の毛細血管で再度血管内に入りますが、一部はリンパ液となりリンパ管を経て静脈へ還流します。
このリンパの流れに何らかの障害が起こるとリンパ液が鬱滞し、むくみを引き起こします。
リンパ浮腫とは先天性のものと後天性のものがあり、後天性の多くは乳がんや婦人科悪性腫瘍の手術後に発症します。婦人科悪性腫瘍の手術では骨盤内のリンパ節を郭清(切除)するため、両下肢からのリンパ還流が悪くなります。
動脈から送られてきた水分と蛋白質がリンパ管に回収されなくなり、周囲の皮下組織(組織間隙)にとどまります。
留まった蛋白が更に水分を引き寄せむくみとなります。これが術後のリンパ浮腫の発生機序になります。
細胞外に存在する水分としては血液、組織間液とリンパ液があります。血液は心臓から拍出され、太い動脈を経て次第に細い末梢の毛細血管へと至り、毛細血管で液体の一部が血管外へと漏れ出し組織間液となります。
これらの組織間液の多くは静脈側の毛細血管で再度血管内に入りますが、一部はリンパ液となりリンパ管を経て静脈へ還流します。
このリンパの流れに何らかの障害が起こるとリンパ液が鬱滞し、むくみを引き起こします。
リンパ浮腫とは先天性のものと後天性のものがあり、後天性の多くは乳がんや婦人科悪性腫瘍の手術後に発症します。婦人科悪性腫瘍の手術では骨盤内のリンパ節を郭清(切除)するため、両下肢からのリンパ還流が悪くなります。
動脈から送られてきた水分と蛋白質がリンパ管に回収されなくなり、周囲の皮下組織(組織間隙)にとどまります。
留まった蛋白が更に水分を引き寄せむくみとなります。これが術後のリンパ浮腫の発生機序になります。
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症状
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婦人科悪性腫瘍手術にて骨盤内のリンパ節を郭清した直後は、程度の違いはあっても一過性にほとんどの患者さんにおいて恥骨の上や両下肢の浮腫を認めます。
リンパ管は細かい網目状に網羅的に存在しており、ネットワークのように繋がっています。このため人体では障害を受けたリンパ還流を改善するために、大きなリンパ管を切除されても細いリンパ管を通じて鬱滞したリンパ液を還流させるようにリンパの流れが変化するようになっています。
リンパ浮腫を改善するためにはマッサージなどが有効とされており、適切な対応を行うことで多くの患者さんにおいてリンパ浮腫は軽快します。東大病院女性外科では手術後早期から看護師が介入し、患者さんが適切な対応を行えるように指導する体制を整えております。
また専門の「リンパ浮腫外来」が設置されており、リンパ浮腫でお困りの患者さんに対し、専門の資格を持ったセラピストが適切なケア方法の説明や施術を行なっております。
リンパ浮腫の治療ではスキンケア、リンパドレナージ、圧迫療法、運動療法を組み合わせた複合理学療法が重要となります。対象となる患者さんは東大病院でがんの治療を受けられ、リンパ浮腫による症状でお困りの方になります。詳細に関しては女性外科外来でご相談ください。
また理学療法では改善が得られないリンパ浮腫に対しては、LVA(顕微鏡下リンパ管細静脈吻合術)という外科的な治療方法があります。顕微鏡下にリンパ管を静脈につなぎ(吻合)、リンパ液が静脈を通じて心臓へ戻るようにする手術です。 この吻合を複数箇所行います。
東大病院形成外科は日本でも有数のLVA実施数があり、リンパ浮腫に対し院内で連携を図れることは患者さんにとっても非常に大きなメリットであると思われます。
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女性診療科・産科 腫瘍初診外来
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